ケアマネージャーが利用者やその家族と関わっていく上で、失敗や発生しやすい問題というものがある。たとえば、利用者の考えを強く否定してしまうなどだ。利用者には、長年の生活の中で培ってきた信念や生活スタイルというものがある。新人ケアマネージャーの場合、それが適切でないと判断すると、つい利用者を否定してしまいがちだ。利用者からすれば、長年行ってきた当たり前のことをいきなり否定されてしまったら、嫌な気持ちになる。利用者やその家族の話をよく聞いていると、その背景がみえてくることが多い。そこを理解した上で、こうしたほうがよくなるけどどうですかと伝えることが大事だ。自分を心配して提案してくれていると感じてもらえれば、提案したことをスムーズに受け入れてくれる可能性は高まる。

また、ベテランのケアマネージャーが提案するとすんなり受け入れてくれるのに、新人が提案すると拒否されるという問題も起こりがちである。そんな時、なぜ受け入れてもらえないのだろうと悩んでしまう新人も多い。これは、利用者やその家族から信頼されているかどうかが大きく関係する。ベテランであれば、この人ならきちんと話を聞いて対処してくれると思っているからこそ提案を受け入れてくれるのだ。新人の頃は、やる気が空回りしてついつい説教口調になったり、考えを押し付けたりしまいがちである。利用者やその家族は、それをしっかりと見抜いてしまうのだ。

相手がどんな状況に置かれ、それをどのように感じ、考えているかをしっかりと読み取り考えていくことが重要だ。そして、それを相手に確認していく作業を怠らないことが信頼関係を深めていく上で大事である。実際にケアマネージャーとして働いてみると理想と違うことも多くあるかもしれない。だが、ケアマネージャーの実情をしっかり受け止めつつ、利用者と真摯に向き合うことでやりがいを見出すこともできるだろう。こちらのケアマネージャーの理想と現実というサイトを読めばケアマネージャーとしての事前の心構えができるかもしれない。